勉強カフェアライアンス

10店舗目の出店を迎えるにあたり

curunTAKAOKA

富山・高岡市と宮崎市に6月勉強カフェができます

こんな場所欲しい!ということで勢いだけで起業して勉強カフェを作ったのが2008年。
このたび、6月1日に富山県高岡市の駅ビル「curunTAKAOKA」内に「curunTAKAOKA B1勉強カフェ」がOPENすることとなりました。高岡の勉強カフェはまた正式にアナウンスしますが、名前の通りちょっとこれまでとは違う形態となります。
アライアンスとしては那覇、函館、京都に続く4号店。東京近郊の6店舗と合わせると、10店舗目となる予定です。

また、11店舗目となる「勉強カフェアライアンス 宮崎」が、続く6月4日に宮崎市にオープンすることとなりました。感傷に浸る間もなく「10」という数字は一瞬で通過してしまうことになりそうですが、やはり10という数字は節目でもあるので、このタイミングで振り返っておきたいと思います。

想定とは全く違う展開の連続

「経営者たるもの5年先を見据えよ」などとよく言われます。融資を受けるためには事業計画書も書きます。でも、四半期決算を発表する上場企業だって大きな上方修正や下方修正をするくらいですから、大きな風が吹けば飛んでってしまう可能性が十分にある中小企業にとっては「計画通りになんていかない」のがむしろ当たりまえだと思っています。もちろん計画をたてること自体は先を見る上で大事なことではありますが。

勉強カフェを作る際も創業融資のお世話になりましたが、その際の事業計画書なんてひどいものでした。本を読んでとにかく「売上は低めに、費用は多めにせよ!」ということだったので、まだ素直だった当時の私は(笑)、そのように見積もって作成し「慎重な」計画を提出したつもりでしたが、結果は「計画の1-2割」という体たらく。外しすぎです。。かなりの金額を借りたわけですが、本当によく貸してくださったと思います。

でも、結局、将来どうなるかなんて誰にもわからないんですよ。特に創業する前ならなおさら。だから借りれたのだと思います。

その後も計画をしては外しての繰り返し・・。正確なのは一年ずつ年をとる僕の年齢だけでしたね(笑)

創業直後、僕の中で起業後二番目に苦しかった時に、とあるセミナーに参加しそこで買った手帳が今でもあります。何も知らないまま勢いで開業し、世の中の厳しさを痛いほど知り、まさに潰れる一歩手前だったこともあり、慎重になった自分がその手帳の中に居ました。そこには、2012年に2店舗目を出店とありました。

結果的にはありがたいことに手帳の計画よりも2年前倒しして2号店を出せたのですが、まぁ、自前で複数店舗を持つと経験者しか分からない色々なことがあるんですよ、いろいろ。僕も大体のことは経験出来たと思います。そんな中では、勉強カフェを10店舗出している想像は正直、中々できませんでした。

futta1897m

アライアンスの仕組みがあってこその10店舗

大きな転換となったのが、昨年4月にリリースした、志を同じくする方に勉強カフェのライセンスをお渡しするという「勉強カフェ アライアンス」という仕組み。「全国各地に、昔の僕と同じように、大人のための勉強場所を提供したい方は必ずいる(はず)!」という、気持ちだけはあったものの、集まるかどうかの根拠はない形で開始したのですが、(沖縄から始まり、地元でもある函館と、出店場所に関しては全くの想定外でしたが)、結果的には今回で5つめの出店をすることができました。

6年目で11店舗、多いのか少ないのかは分かりませんが、語弊を恐れずに言えば「勉強カフェを自分の手から手放せた」から全国各地に出店することができるようになった。これが大きかったと思います。勉強カフェは元々、僕が欲しかった場所。無いからゼロから作った。当然子どものように愛着があります。だから、自分で仲間の力を借りながら5つまで作ってきた。

でも、ミッションである「学びを通じて幸せになる大人を増やす」ためには、自分だけで進めていて本当に良いのだろうか、本気で、学びを通じて幸せになる大人を「増やす」ためには、その土地に長く住み、且つ理念を同じくすることができる方と一緒にやるべきだと、自分で何から何までやらなくてもミッションが達成できるならそれでいいじゃないかと、あの時、僕が「精神と時の部屋」と呼んでいた今はなき近所の露天風呂である日突然湧いてきて、腹に落ちた。

アライアンスのリリースから1年。一つの転換点になったと思います。少なくとも良い意味で肩の力を抜くことが出来たかな、と。アライアンスに限らず、ようやく物事を自分から手放し任せられるようになりました。

20140408115012

6年で変わるものと変わらないもの

6年前は皆さん、何歳でしたか?何してましたか?2008年はリーマン・ショックが起きた年でした。今、目の前にあるMacBookAirもiPhoneも僕の手元にはまだありませんでした。毎日のように飲んでいる炭酸水もまだ飲んでいなかった。今は存在している娘たちもまだいませんでした。今、当たりまえのように接している人やモノがほとんど何も無かった気がします。それが6年という時間です。

起業していなければ当然、写真の仲間とも出会っていなかった。荒井はアムロの服を着ることも無かったわけです。(なお、ひとりいませんが、一ヶ月休んで全国放浪の旅に出ていますw)人生って不思議です。

時代が進むスピードが格段に速くなったなかで、勉強カフェはおかげさまで6年という月日を過ごすことができています。この6年間のうち、最初の2年間は僕もフルに店頭に立ち続けました。僕がいなくても運営が可能になってきたのは、まだここ2年くらいのことです。

6年間、勉強カフェは勉強カフェとして、基本サービスは変わらず一貫して提供してきました。ひとつのサービスが6年間続けられていることは、流行り廃りの激しい飲食業界出身の僕としては、それだけで感慨深いものであり、本当に多くの皆様に支えられているおかげであると痛感しています。

一方で外部環境はやはり6年も経つと変わります。先行者の宿命ですが類似の施設もここ数年で増えました。他にもニーズや使われ方など、少しずつ変化を感じています。様々な環境の変化を踏まえて、より勉強カフェらしさを前面に出す形で、夏に少しだけ基本サービスの部分を変更しようと進めています。最近アライアンス関連の仕事が多いですが、もちろん地盤である東京での動きも進めていますので、東京の会員さまはご安心を!

この先も変えないもの

最近、採用サイトをリニューアルしました。えらい随分かわいくなったと評判(?)ですが、これまでの様々な経験を踏まえてより「人」にフォーカスしたサイトにしました。まだやりたいことの半分くらいですが、以前よりは「勉強カフェがどういう想いをもった仲間が集まっているか」伝わってくれるのではないかと期待しています。

この採用サイトにおいて、ウエイトを大きく割いたのが、「クレド」のページです。「学びを通じて幸せになる大人を増やす」というミッションを作って4年くらいでしょうか、これこそが我々の存在価値だとずっと一貫して言い続けてきました。採用も、スキルや能力よりも何よりも、我々のミッションへの共感を最優先事項としました。今後も情勢や規模や体制の変化に伴って、やることは変わっていくでしょうが、このミッションだけは変えるつもりはありません。変わるときは役目を果たした時でしょう。

先を見ながらも今やることを、しっかりとやるだけ

紆余曲折を経てここまで来ましたが、今の状況は悪くない。視界はクリアです。僕自身の精神衛生的なところも6年目にしてようやく余裕が出たというか、色々経験して耐性ついたと思います(笑)あとは走るようになってから、色々と自分の中で変わったかな。

計画はそのとおりにならない前提で、先を見据えながらも、今やるべきことを、ちゃんとやる。これが本当に大事なことだと思っています。やるべきことをやっていないことがいかに多いか。だから、やればいいんです。愚直にやると決めたことをやればその他大勢から抜け出せます。

幸いなことに、やりたいこと、やると決めたこと、やるべきこと、それぞれたくさんあるのが見えています。時間管理と体調管理をしながら1つずつ着実にこなしていくだけです。マラソンと同じ、しっかり着実に歩みを止めることなく僕も会社も走り続けていこうと思います。

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