先日、沖縄へ行ってきました。
那覇市にある勉強カフェアライアンスの1号店である「勉強カフェアライアンス 那覇ラーニングスタジオ」が10月7日に1周年を迎えたためです。勉強カフェアライアンスとは、本部が主体的に決めて動くフランチャイズとは違い、アライアンスメンバーのオーナー様それぞれが勉強カフェの名の下で、自由に運営できるモデルです。チェーン店のようなものではなく、地域に根づいたオリジナルの勉強カフェを皆様それぞれ運営されています。
現在東京含め12店あるので全部のお店の記念日を回っていたら月1ペースになり大変なことになってしまいますが、やはり1号店は特別なので、今回オーナーには内緒でスタッフの方の協力のもと、サプライズ突撃訪問を敢行してきました。1年ぶりにお邪魔し、店内を見学し、オーナーのお話も伺い、ここまでこれた理由がいくつか垣間見れました。最初は訪問記にしようと思っていたのですが、せっかくなので「地方都市における出店での大事なこと」としてここでまとめようと思います。なお、弊社が運営しているのは勉強カフェという自習室ですが、地方型コワーキングスペースでも大差ないかと思います。
那覇松山のアパホテルから車で58号線を10分弱でしょうか。那覇市と浦添市の境あたりにある那覇の勉強カフェ到着。1年ぶり。変わっていない!
この白さと開放感が沖縄っぽくて大好きです! 正面の目標設定シートの数が1年でかなり増えて貼りきれなくなっています。
この日は1周年ということで、「1周年感謝祭」を行っておりました。冒頭に霜鳥オーナーからの開会の挨拶。交流会の様子はこちらに詳しく書かれています。
会員さまやオーナーの知人の方など多くの方とお花で賑わっていました。生ハム食べ放題!!
会員さまからやスタッフの方からのサプライズもあり、霜鳥オーナーの実直なお人柄が伝わる、大変温かさのある素敵なパーティーでした。会員さまより「勉強カフェができて本当に良かった」「勉強カフェがあることで毎日の生活がとても楽しくなった」といった声も頂き、東京から遠く離れた沖縄の地にも勉強カフェがしっかりと根を張りつつあることを肌で感じました。霜鳥オーナーも感無量だったと思いますが、私も自分のことのように嬉しかったです。
とはいえまだまだ1年。霜鳥オーナーの従来からの構想である「ふらっと寄ったら思いがけず学べてしまう場所」の実現に向けて、これから更なる学びのコミュニティとしての発展を私も期待しています。
地方都市における出店の3つの大事なこと
さて実際に足を運んで感じたことを3つにまとめようと思います。
1.オーナーが店舗運営自体に強くコミットする
これは勉強カフェでは例えば募集ページの最下部に「最低2年は、オーナー様自らも店頭に立つ」と条件を添えていたりもしますが、少なくとも軌道に乗せるまでは「やりたい!」と思った人が主体的に店頭に立ち続けるべきだと、改めて再確認しました。もちろん毎日全時間にいろというわけではないですが、見込み客獲得や利用客との関係構築、利用促進はもとより、利用状況の変化やニーズの把握、ヒントの模索など、少なくとも軌道に乗せるまでは自分自身が全部やる必要があるでしょう。
那覇の例でいえば、霜鳥オーナーは自ら営業時間を延長することを決め土曜日も夜23時まで営業しています(東京含めどの店舗よりも土曜日が遅くまで空いている店舗となっています)お客様が来ないから営業時間を縮める。早く閉店する。のではなく、むしろ延ばす。そうすることで光が射すこともありえます。僕の知人である星野さんが経営されている、さいたまの大宮のコワーキングスペース7Fさんも朝7時オープンに変更されて、星野さん自身が毎日朝から晩まで一年間店頭に立ち続けられていましたが、それと重なります。
あまり自分の昔話をするのはカッコ悪い気がして嫌なのですが、僕も開業から暫くは朝から晩までほぼ休みなくずっとお店にいました。
店舗運営は誰かがそこにいないと成り立たないので、大変な業態です。自分がお店にいれば即ち外に出られないということ。一方、自分が外に出ようとすれば、人件費が発生します。やはり結局のところ「やろう!」と思った人がどれだけ覚悟決めてやれるか。これがまず1つめだと思います。これが以下にも繋がっていきます。
2.空間施設だけではなく、人と人とを結びつける場として機能させる
これも勉強カフェもコワーキングスペースも同じだと思いますが、例えば勉強カフェは基本的な機能としてはいわゆる有料自習室なわけです。全国にはこれだけのたくさんの有料自習室があります。 その中で、勉強カフェが他の有料自習室さんと大きく異なるのが「自習空間(机と椅子)の提供」に加えて「学ぶ大人が集まるコミュニティ」でありたいということです。具体的には、勉強習慣がつくような仕組みや、人脈形成のお手伝い、勉強会の開催支援などです。これはこれまでの6年で徐々に蓄積してきたものです。
「勉強」そのものに対する考え方も、資格取得のための勉強だけではなく、様々な形の勉強ができる場所でありたいという姿勢で運営しています。ここまで「勉強とは」「どういった勉強空間でありたいか」を真剣に考えて日々社員が議論しながら運営している自習室は他に無いと思っています。
この点に関して那覇の勉強カフェの素晴らしい点は、イベントの数の多さです。例えば日曜早朝7時からの読書会を定期開催して、新聞にも掲載されています。取材を受けたのも日曜の朝から頑張って起きてやり続けたからです。日曜朝7時からですよ、普通は寝ていたいですよね。でもあえてやる。誰もやらないことだから話題になったのです。イベントの開催はコワーキングスペースの運営者の皆さまはご存知かと思いますが、一回の開催に必要な労力はかなりのものですよね。そしてそれに対する利益はあまりない。(弊社は無料にしちゃいました。)でも続けることでそこが突破口になったりすることもあるわけです。
僕も1号店の勉強カフェの開店後、長らくのあいだ低空飛行が続きました。家賃代にすら到達しない毎日。その中で頻繁に開催したのが「イタリア語レッスン」でした。完全に僕がイタリア好きだからという理由オンリーですが(笑)、好きだから本気で集められる。そしてそのおかげで人がお店に来てくれる。その人が会員にはなってくれなくても(実際には数人そこから入会もしてくださいました)、そこから意外な形で広がることがある。だったらやっぱり色々やることが大事です。
ちなみに、コワーキングスペースも有料自習室同様、一気に全国に広がっているようですね。いや今や自習室よりもコワーキングスペースの方が多いくらいですね。一気に増えたコワーキングスペースですが、僕は二極化が進んでいるように思います。増床したり拡大したりを聞く一方で閉店されている所も見受けられます。一方で大手資本の参入も見受けられます。空港好きとしては渋谷にできればぜひ会員になりたいと思っている(お願いします!笑)ビジネスエアポートさんは東京と丸の内の近距離に2店舗を同時オープンされるそうですね。結局、施設や什器などのハードでの訴求だけでは資本力のある起業が参入してきた時点で負けます。コワーキングスペースは大変だな、と思ってみています。有料自習室に大手資本があまり参入してこないのはコワーキングスペースより儲からないからだと思います^^;
大事なのは、ハードではなくソフトでの付加価値の提供であるということです。そうした中で、人と人とを結びつける場として大事なのは「他者貢献」という姿勢だと思います。
那覇の勉強カフェにはたくさんの告知ポスターやパンフレットがこれ以外にも壁に貼ってあったり、こうしてまとめて紹介されていました。(自分のところのチラシが他のチラシで見えなくなっています笑)これだけの数があると皆さん結構立ち止まって見てらっしゃいました。
勉強会やセミナーに参加する方が必ずしも月額会員にはならないという話があります。両者の求めるものが違うからだと。確かにそうかもしれません。ただし初期においては周囲に存在をとにかく知ってもらうことが優先されるべきで、月額会員になってくれないからとイベント開催を止めるのではなく、むしろどんどんやる。僕も今ではあり得ないことですが、空間まるごと貸し切りでお貸ししたりもしていました。まるごと交流会の会場として、またある時は就職活動の説明会会場として、まとまったお金が入ってきて本当に助かりました。
パンフレットも余計なこと考えずに置いてあげる。イベントをやりたい方には積極的に開放し、とにかく人に足を運んでもらう。そこからどう繋がっていくかなんて分からないものです。損して得取れじゃないですが、まずは貢献してあげる姿勢が結果的に人が集まってくるのではないでしょうか。
3.とにかくやる。やるべきことをやり続ける。
これも勉強カフェもコワーキングスペースも同じだと思いますが、開店から軌道に乗るまでって忙しいとかよく言われますがそうでしょうか。実際のところ、暇な時間がたくさんあるはずです。だってお客様来ないんですから。人間は弱い生き物なので、暇だとそのゆったりした時の流れに乗ってしまいがち。暇で目の前にPCあったら、Facebookとかyahoo!ニュースとかダラダラ見ちゃうじゃないですか。起業した以上、自己責任。自分を律することができるかって大事なことです。僕も日々修行です。
この点でも那覇の勉強カフェは優れていると思います。そしてFacebookのいいね!の数も東京に次いで多く、投稿も頻繁にされています。やっていることは当たり前のことといえばそうなのですが、それを続けられる人は殆どいないので、逆に続ければそれだけで効果が出ます。
僕は他の有料自習室さんやコワーキングスペースさんのFacebookページは見つけ次第「いいね!」を押して勉強させてもらっていますが、やっぱり上手くいっているスペースさんは、発信をすごくしっかりやってらっしゃいますよね。微妙そうなところは作ったきり更新されていないことが多いです。twitterの最後の更新が数ヶ月前とか、それ見ただけで、ここはダメだなと僕なら思ってしまいます。更新できないならアカウント作らないほうがむしろいい。
コワーキングスペースの事情は分かりませんが、勉強カフェに関して言えば大半はWebを見て知って頂きます。これは東京も地方都市も同じです。多くの人は検索したりFacebookを見て、初めて勉強カフェを知ってくださっているようです。これは運営者にとっては朗報です!!外に出なくても対応できるわけですから。今後どうなるかは分かりませんが、ブログ記事を書いてソーシャルで拡散の流れは今は必須だと思います。
あと、ホームページのメンテナンスや更新も非常に大事。特にキャッチコピーの文言の微調整は重要です。東京圏の勉強カフェのホームページは未だに市販のソフトで作り続けていて垢抜けない感じは否めませんが笑、その更新は未だに手放さずに僕が自らおこなっているのはそういう理由です。プロ野球選手のバットやグローブは(一部のトッププレイヤーはメーカーから支給されてるそうですが)多くの選手は自費だそうです。商売道具であるバットやグローブを自分でメンテナンスするはずです。ホームページはお店の「顔」。バットやグローブと同じくお金を生んでいるホームページの細かい所をメンテナンスするのは当然ですよね。
ちょっとした文言の変化、トップページのビジュアルの変化、が本当に売上を左右します。
すごく雑に言えば、大雑把な性格の人と細かい性格の人、2種類いるとして、大雑把な人は細かい所を気にしない一方、気になる人はすごく気になるわけで、細かい性格の人に合わせられる人の方がこういう店舗運営者には向いていると思います。
上記1〜3を続ければファンが出来る
オーナーさんが自分で先頭に立って店頭に立ち、
他者貢献の気持ちでもってソフトでの付加価値提供を意識し、
集客のために地道に発信や微調整をし続ける
これをすればお客様が徐々に増え、きっとオーナーさんのファンになってくれると思います。
今回、那覇の勉強カフェにお邪魔し、パーティーにご一緒させていただくなかで一番印象強かったのは、「みんなが霜鳥オーナーが大好きで感謝の気持ちを述べていた」ことです。これこそ何よりの証拠ですね。霜鳥ファンがたくさんいました^^
霜鳥オーナー、そしていつも支えてくださっているスタッフの水澤くん、みきちゃん、2年目はさらに飛躍していきましょう!!
ある程度の集客が見込める人口100万人以上の都市圏と違い、地方都市圏では、何より人を集めて繋ぐ気持ちと仕組みを持つことがまず大事だと今回の訪問で再認識しました。那覇市は人口32万人です。全国対比で賃金も低く、お世辞にも勉強場所が強く求められているかといえば正直そうでもないでしょう。それでもこうして多くの方が来てくれています。これはなにより霜鳥オーナーの尽力の一言に尽きるのですが、それをやれる力を自らがつけるということが大事なのでしょう。要はオーナー=経営者が現場で働きながら成長することが大事ということですね。
今回それを目の当たりにしてきたことから、他のアライアンスメンバーの皆さんのお役に立つべく、また、全国のコワーキングスペースの運営者さんにも参考にできる形でシェアさせていただきましたがいかがでしたでしょうか。
地方都市圏での勉強カフェは平日夜間がメインの時間帯とのことなので、地方都市のコワーキングスペースさんで夜間時間帯の使い方でお悩みの方がいれば、時間帯で同じ空間をシェアしたり、夜だけ勉強カフェやるのも面白いかもしれませんね。興味ある方いらっしゃいましたらお気軽にメッセージどうぞ。
沖縄に旅行で行かれる際は、ぜひ那覇の勉強カフェにも一度足をお運び下さい!空港からタクシーで20分くらいでしょうか?そんなに遠くありませんので居心地の良さをぜひご自身で体感されてみてください。霜鳥オーナーが歓迎してくださると思います^^
◎勉強カフェアライアンス 那覇ラーニングスタジオ
http://benkyo-cafe-okinawa.com/
◎勉強カフェアライアンスのご案内
http://benkyo-cafe.com/
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