勉強カフェ

1号店フィナーレ&事務所移転

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5月7日をもって、長らく本社兼1号店であった「勉強カフェ 渋谷北参道スタジオ」を閉店し、5月9日から本社を移転しました。

最終日はFREE OPEN DAYということで無料開放したところ、GWの合間にもかかわらず80名近くもの方にお越しいただきました。創業当時の会員さまから、現在の会員さままで、非常に多様な顔ぶれでした。思いがけない再会の嵐で、同窓会のようでした。お越しいただきました皆様、本当にありがとうございました。

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最後ということで、勉強カフェキッズもたくさん来てくれました!最後なので、思う存分壁に落書きw
あんまり推すと”出合い系”とか叩かれますが、これまで20組以上!?もの会員さま同士がここで出会い結婚されて、お子さんがいらっしゃるカップルも何組もいるんです。

たくさんの方がFacebookやブログでこの日のことを書いてくださっていました。例えばこんな感じ。自分が考えて立ち上げたビジネスで、人生を変える学びや人との出会いを提供できたことは、本当に光栄な事です。

「学びを通じて幸せになる大人を増やす」という一貫して発信し続けている使命を果たすため、むしろこれからが本番!一層精進しまいりますので、
関係者の皆様、今後ともどうぞよろしくお願い致します。

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1号店閉店の経緯

まぁ、あまりおおっぴらにするものでもないのかもですが、内緒にすることでもないので書き残します。似たようなコワーキングスペース運営をされている方など、これから多店舗展開しようとする誰かの役に立つかもしれないですし。

さて、創業の地であった渋谷北参道スタジオは、2008年11月に開店したので、7年半営業したことになります。一瞬、別の場所に作業場を構えたことはありましたが、基本的には本社兼店舗ということで7年半の間、ずっとやってきました。

創業直後は本当に苦しくて、大変なことがたくさんあったのですが、何度もブログに書いてきてるので割愛します。

売上のピークは当たり前ですが、1号店である北参道しかなく、2号店(秋葉原スタジオ)ができる直前の2010年の夏で、会員数300名オーバー、月間で320万円くらい売上がありました。コストはだいたい月間130-150万円程度でしたので、ピーク時は50%以上の営業利益率があったということになります。1号店しかないのでたいした本部費用もなく、この頃は余裕がありました。自分が朝から晩まで店頭に立ち、毎日たくさんの方が来てくれる。お酒を飲みながら、会員さまと話をし、会員さま同士を紹介する。この頃は社長業ではなく、お店のマスターみたいな感じでしたね。

事務所部分を除くと40坪弱しかなく、1号店ということもあり、今のような知見やノウハウもなく、ブースの数も15席しかなかったのに、よくそんなに入ったものです。
勉強カフェは北参道にしかなく、千葉や埼玉、横浜はもちろん、栃木や山梨から毎週末通ってくる会員さまも居ました。当時はそれだけ商圏が広かったということです。(今では半径1.5キロ+沿線です)

しかし本当にキャパオーバーでしたので、新店舗を出店し、会員を分散し、適度な混雑率に落としてきました。2号店の秋葉原と、さらにその半年後に出店した3号店の田町は、運営受託契約ということもあり(※今は違います)、立地ありき(ビルオーナー所有のビル前提)ということで、意識してその場所に出したというよりは、ご縁を頂いた場所がたまたまそこだったというのが正直なところですが、

4号店のFC1号店である池袋スタジオ、5号店で期間限定店であるピーコックストアの中にある青山スタジオ、今では唯一の運営受託店舗である6号店横浜関内スタジオと出店を続けて、会員数の分散を図ってきました。その後は2013年10月の沖縄・那覇を皮切りに、勉強カフェアライアンスを立ち上げて、東京以外の全国各地に出店することを注力してきました。

・・とこんな感じで、もちろんその間にはいろんなことが途中にあるわけですが、なんだかんだ一昨年までは北参道も200名程度の会員数で適度に推移してきました。

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(最終日には、懐かしいメンバーとの再会も!)

北参道にとって風向きが変わってきたのが、2015年に入り、3年ぶりに都内及び近郊に出店をしたことによります。それまでは物件ありきの案件が多かった中、ここからは店舗開発や立地戦略を意識するようになりました。当時はまだ仮説ではありましたが、出店基準を立てるようになり、今では大手ディベロッパーさんから有難い話を頂くこともあるのですが、それでも基準に合致するところにしか出店しないようにしています。

慎重に場所を選び、3月に7号店となる溝の口スタジオ、6月に8号店となる新宿スタジオを立て続けに出店したのですが、これが当たりというか、おかげさまで両スタジオ共、非常に多くの方にご利用頂くことになりました。この2スタジオの成功の裏で、北参道にとっては厳しい風が吹き始めました。便利な場所に、同じサービスの受けられる勉強カフェができたことで、既存会員さまの流出はもちろん、なにより新規で北参道に入会される方がパッタリと止まりました。溝の口と新宿という便利な場所に堰き止められてしまったんですね。

もちろんある程度は予想はしていたのですが、想定以上に数字が落ちこみました。必ずしも便利とはいえない北参道という場所にある1号店は相対的に厳しい立場に追い込まれてしまい、月間売上もピーク時の半分である150万円程度にまで減少。対策として複業カフェとかやってみたりもしましたが、付け焼き刃。

昨年秋の段階で、

・3ヶ月連続で基準を下回ったら撤退すると決めていて(撤退ルール)、実際にそうなったこと
・国分寺(9号店)、飯田橋(10号店)、日本橋茅場町(11号店)の出店が続き、さらに分散されること
・出店基準には北参道は合致しないこと(=今ならここに新規出店はしない)
・上記から今後劇的に数字が回復することは考えにくいこと

以上が揃ったので、年明けに撤退を決めました。

今ここで書くと言い訳っぽくなりますが笑、もともと、新宿と渋谷に出店できたら、その時が北参道の役目が終わる時だろうと創業当時から決めていたので、感傷に浸るというよりは、ついにこの時が来たかという心境です。(まだ渋谷にはないですけれど)

こうして1号店の歴史が幕を閉じました。

実は以前別店舗で撤退を検討したことがあったのですが、その時は出来なかった。投下したサンクコストに縛られていたわけです。それに、利用している会員さまの姿を見ると、会員さまに悪いと思って決断できなかった。そして、潰れたと思われたくないという、しょうもないプライドもあった。まぁ、まだまだ若かったです。

その反省から、サイバーエージェントの藤田社長を真似して、撤退ルールを定め、後戻りできないようにそれを社内に公表し、あとはその通りに従い、感情を排し粛々とすすめるという撤退の経験値を実際に積めたのはとても大きいです。撤退コンサルタントやれるかも知れない!明日から始まる原状回復工事が終わった空間を見たら、起業直後の昔のことが甦るのかもしれないですね。

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本社移転しました

というわけで、本社機能のみを別の場所(恵比寿)に移転しました。(※本社のみでスタジオはありません)首都圏だけで店舗数が2桁になり、これだけの規模になると、例えば何かを決めたり、変更したり、新しい物を導入したりするにしても、いろいろな角度からの検証が必要になります。

これって結構大変なことで、一昨年までは店舗数は今の半分だったのが、この2年で倍に。ということはそれだけ関わる人が増え、影響度も上がったわけで、それをハンドルする私たちの能力も相応に上がらないと、店舗数の増加に内実がついていかないということになりかねない。

今では細かいレベルの事象に関しては担当制にして、任せたことに関しては僕は口出ししないようにしてきましたが、何かを任せるにしても、担当者の能力が低いままだと、厳しいなと痛感するようになりました。

社員の能力を上げるのは時間がかかるとも、まずは環境を整備することはできる。それを考えると、店舗兼本社ではもう限界だなと。店舗と一緒だと、目の前にお客さまがいるわけで、そういう環境下だと本部メンバーもどうしても店舗優先になってしまう。働いている我々もそれを「言い訳」にできてしまうように感じていました。

もう、それではいけない。言い方を変えると、僕が直轄する”経営チーム”の構築が必要だということになります。幸いにもLAPに通ったことが、自分の軸の確立につながりつつあるとともに、自然と会社の教育方針、評価基準の確立にもつながりました。

今後、どういう人を迎え入れ、どういう方向性で成長の機会を与え、どういう人を選抜するか。本社移転によってどういう変化が社内に生まれるか。これからが本番!!本部社員にとっては腕の見せ所!! どうなるか、楽しみです。

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移転先は、8坪しかない、本社というより、もはやアジトです。まだ何もない状態の部屋を妻に見せたら、「なにか悪いこと企む場所みたい」と言っていました。ピラミッドの上に位置する本社ではなく、作戦拠点という意味のBaseCamp(ベースキャンプ)を名乗ります。店舗ビジネスにおいて主役はあくまで店舗。直営FC問わず店舗のサポートセンターとしての役割をここで担っていきます。

それにしても、恵比寿は美味しいお店がたくさんあっていいですね^^ただ皆社員がここに来ると太りそうで心配です・・。

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「日本で唯一お酒が飲める勉強場所」の運営会社として、ビールが飲めるように北参道から業務用冷蔵庫はしっかりと運んで持ってきました笑 昼間はちゃんと仕事して、いい仕事ができたときに、夜に集まった皆と飲みたいと思います。

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