やれやれ、ようやくこの時が
経営の諸先輩方からすればぜんぜんひよっ子な額ですが、先日、創業融資で借りた1,800万円を完済しました。事業の拡大に伴い今ではさらに多くを借り入れているので肩の荷は下りるどころか増えていますが笑、毎月毎月、返済するたびに返済明細票に一本線を引いてきたんです。それのひとつが終わりました。足かけ7年、84回。写真にあるように紙はボロボロ。7年前を思い出し、結構ノスタルジックなものですね。貸してくれたことに本当に感謝しかないので、担当者の方に「あの時貸してくれてありがとうございました」と改めて伝えました。それに対する担当の方は「一本返済が終わったので次いくら借ります?」なわけですが、こっちは感慨深い。7年間、よく生き残れたな、と。ひとつの区切りを終えた感が思いのほか強い。
生まれて初めての借入
起業するつもりなんて毛頭なかった一介のサラリーマンが「会員制の書斎空間を作ろう!!!」と思いつき、勢いだけで会社員を辞め、本を立ち読みしながら会社を設立し、事業を始めたのが2008年11月。あまりオープンに書くのもアレなので省きますが、そもそも借りるのも相当大変だったのです。エクイティという知識は一切なかったあの頃。そして時はリーマン・ショックの直後。他にない新しいビジネスを始めることの難しさを痛いほど思い知らされていました。
ちょっと前まで手取り20万だったサラリーマンが、1,800万円を借りるという事の”重さ”。希望通り借入れることができた嬉しさは束の間、すぐに重い荷物を背負った現実に直面しました。何より重かったのが借入実行の日のうちに内装工事の支払いやら何やらで当日のうちに半分以下。借りたはずのお金がその日のうちに消えていった通帳の数字を前に、怖くなったのを覚えています。たった一日で半分以上無くなってしまった・・。娘も生まれ家族を守らなければならないのに・・。
そして事業は思惑通りには進まないものです。返済据置期間の6ヶ月を過ぎ、来月から元本の返済が始まる。でもお金がもう無い。この時が一番辛かった。借りたはずのお金がたった半年で手元に無いという事実。2枚にわたり遠い遠いH27年まで続く返済明細を見ながら、果たしてその頃まで事業を続けられるのか。愕然としながらそんなことを考えたものです。
まさに、運が良かった
今あらためて振り返ると「幸運だった」の一言に尽きます。勉強カフェというネーミングを思いついていなかったら、アメブロを書き続けていなかったら、プレスリリースからメディア取材を受けるのが一ヶ月遅れていたら、今こうして振り返ることもできませんでした。
そしてそれぞれには人がいます。ネーミングを思いつくキッカケとなる質問をしてくれた人が居なかったら、ブログをビジネスブログとして書くことを教えてくれた師匠と出会っていなかったら、読売新聞の記者さんが取材しようとしてくれなかったら、きっと今の姿はありませんでした。
7年前の時点で、完済する時に自分は、勉強カフェはどうなっていると思っていたか?正直それを思い描く余裕はありませんでした。「始めちゃったものはやるしかない」ただ、がむしゃらに毎日試行錯誤しながら店頭に立っていました。
あれから7年。事業が大きくなると毎月動かす金額も増えるし、7年もやっていると山あり谷ありいろいろ経験もして、腹が据わるもんですね。借入額が創業時よりも大きくなっても昔ほど恐怖を感じることは今はない。色々ありすぎて良い意味で鈍感になったというか。センシティブだと経営やってられなくなるから変わるんですかね。自分を守るために。あとはダークサイドも色々見えてきて、7年前の自分より性格歪んだと思う笑
なんだか開店7周年を前にして7年を振り返るみたいな感じになってしまいましたが、まだまだこれから。ベンチマークな会社のひとつ、ABCクッキングスタジオもブレイクまで15年かかった。自分はそのまだ半分。地道に着々と。引き続き頑張ります。
自分におつかれ!
今日はちょっといいビールでも飲もう。