本日10月1日より、勉強カフェは、新しいタグライン(ブランドコンセプト)として、
フォースプレイス(第四の場所)を名乗ります。
カフェでもなく、
図書館でもなく、
自習室でもない、大人のための勉強場所。
自宅(第一の場所)でもなく、
職場(第二の場所)でもなく、
その間にある自分のお気に入りの場所(第三の場所)ともちょっと違う。
新しい概念の場所(第四の場所)として「勉強カフェ」は存在していきます。
勉強カフェは何屋なのか
「勉強カフェってなんですか?」
結局のところ、創業以来ずっとこの質問にズバっと「これ!」と答えられなかったんですよね。
勉強もできて、社外の人脈もできて、本も読めて、セミナーは無料で受けられて・・
タグラインとして、いろいろな言葉を使ってきました。
使ってみては変更してきました。まさに試行錯誤の連続。
「勉強する大人が集まるプラットフォーム」・・これが一番長く使ってたかな。
(プラットフォームって分からない人も多いしな、というのが引っかかって止めました)
自習室とはちょっと違う場所とWebでずっと言いながら、
リスティング広告では自習室という言葉のCVが高かったりして、
でも自習室のくくりでいいのかというとそれは違う気がしながらも、
なもんだから普通の自習室と同じように勘違いされるケースもちらほら出てきて、
でもそれに変わる明確な言葉はなくて、、
堂々巡りして、そもそも勉強カフェを一言でいう必要性があるのか。
勉強カフェは勉強カフェなんだから、それでいいんじゃないのか。
ここ1年は特にそんな感じでした。
「勉強カフェって何屋なのか?」
一言で言えないのがずっと、もやもやっとしたまま来ていたんですが。
それが今回の新しいタグラインでようやく解決しました。
勉強カフェは「つながり屋」なのでした。
スターバックスがコーヒーを売っているわけではないように、
勉強カフェも勉強場所を売っているわけではないのです。
外の風を入れる
自分たちではもう抜け出せない—-そこで、やったのは社外の風を入れるということ。
ブランディング会議にジョインしてもらい、外部の目線でファシリテートして頂きました。
「勉強カフェは、そもそも何屋なのか?」
「どんな人に来てもらいたいのか?」
「絶対に負けない強みとは?」
根源から振り返ることで、出てきたことば。
それが、「つながり」。
ただ居心地が良いだけだと、人は成長できない。
僕が大切にしている言葉のひとつに、大前研一さんの言葉があります。
大前研一の名言|人間が変わるための3つの方法
人間が変わる方法は3つしかない。
ひとつ目は時間配分を変えること。
ふたつ目は住む場所を変えること。
3つ目は付き合う人を変えること。
どれかひとつだけ選ぶとしたら、時間配分を変えることが最も効果的なのだ。
(引用【名言DB】http://systemincome.com/20220)
居心地が良い第三の場所(サードプレイス)を見つけることも素敵なことだけど、
一度きりの人生を楽しく生きるには、その先がある。
「何かにつながれる、そんな場所であり続ける」という想いを込めて、
第四の場所(フォースプレイス)と名づけました。
勉強カフェは「つながり屋」だった
思えば、創業当時からやってきたのは、つながり作り。
分かりやすいのは、人とのつながりですが、
自分の未来に向けてつながれる場所でもありました。
目標設定シートを開始したのは開店から3ヶ月後。
一向に会員が集まらず、いつ来ても誰もいないという危機的状況で、
当時の10名にも満たない会員さまの表情が困惑されていたのを思い出します。
同時利用の会員さまはまだいないけど、登録している人は他にも少しいる。(でも絶対数が少ないから遭遇しない。)
あなたの他にも頑張っている人がちゃんといるんだよ、というのを少しでも伝えたくて考えた結果、生まれたのが目標設定シートです。
見た目の盛り上がりを水増しするために(笑)、見学にいらしただけの方にもどんどん書いてもらいました。
「せっかくだから目標書いていきませんか?」そういうと案外面白がって書いてくれたものです。
みんなのこれを目指す!という未来への想いが集まってくると、
ボード(progress boardと呼んでいました)がパワーを持ってくるんですよね。
このボードが人を惹きつけ、つないでくれました。
勉強カフェは、未来につながる場所でもあるんです。
そして、他のあらゆる勉強場所との勉強カフェの最大の差別化ポイントは人とのつながり。
一人で勉強するだけなら面白くない!ということで、ひきこもり防止キャンペーンと銘打ち(笑)、
ラウンジでの勉強を地道に訴求し続け、会員さま同士をひとり、またひとりとお繋ぎしていく。
そのうちに、いろいろな化学反応が起きてきました。
もちろんこれまで利用されてきた方皆さんが仲間とのつながりをもとめてこられてきたわけではありません。
昔ブログで書いたかもしれませんが、開店直後のある日、ラウンジでお客さまと会話していたら、
奥の席でひとり勉強していた貴重な会員さまから、うるさいと怒鳴られました。
折しも有料自習室のニーズは非常に高く、勉強カフェ以外の自習室はどこも満席なのは僕も知っていました。
出来て間もないとはいえ勉強カフェだけ閑古鳥。。
その耳が痛い事実をその会員さまからも直に指摘されました。
「他はどこも満席で仕方がないからここを使っている。ここだけ客が居ない理由を少しは考えたら?」
ビジネスですから当然焦りはありました。まわりはどこも好調なのに、僕だけ実際結果が出てないわけですから。
でも不思議と迷いはなかった。
この出来事が早い段階で起きたことで、自分がやりたいことと改めて向き合うことにつながりました。
「自分は何を提供したいのか」
結局その会員さまのニーズと僕がしたかったことは重ならず退会されることに。
この方からは6月分前払いで会費をお支払いいただいていたのですが、5ヶ月分を返金することになりました。
北参道駅の近くのATMで返金した直後に電話をしたときのことが強く記憶に残っています。
「あなたの決めたことだから頑張って」と応援してくださいました。
期待に添えず申し訳なかったのですが、一方でこの方には本当に感謝しています。
この出来事がキッカケで、自分が提供したい空間づくりを進めることになりました。
上に上げた目標設定シートもそうです。
僕は、社内のしがらみなどがないフラットな勉強仲間とのつながりを提供したかった。
いろいろな要因や幸運があり、その後会員さまが増えてきたのですが、
なんとかこうしてまもなく7年やってこれたのは、
この「仲間とのつながり」をいろいろな失敗もありながらも、大事なこととして続けてきたことにあると思っています。
今やご結婚された方も何組もいますし、
退会しても会員同士で友だちとして長い付き合いになっていると聞く関係性は無数にあります。
1号店の当時の会員さまと何年ぶりとかで食事に行く機会もあったりするのですが、
他の会員さまと今でもつながっているという話を聞くと、とてもうれしいです。
やっててよかったな、と。
一方で私たちの至らなさから、ご期待に添えられなかったケースもたくさんあります。
「仲間との出会いに期待して入会したけど、紹介してもらえなかった」というアンケートの声を見ると申し訳ない気持ちになります。
ひとりひとり価値観が違いますので、人と人とをおつなぎすることは、なかなか難しい面もありますが、
仲間とつながる場所として、もっと質を高めていかなければいけません。
勉強カフェはフォースプレイス(第四の場所)と銘打ち、
従来のサードプレイスに「つながり」を付加した空間としてリブランディングしました。
このペースで一気に続けるとすごく長くなりそうなので、一旦切って後編に続きます。